One is too many

『ひとつでは多すぎる』をモットーに色々挑戦したい。 ライフログ(旅・自然)メイン

【本】自分の運命に楯を突け / 岡本太郎

弱いままでいい。

ありのままでいい。失敗したっていいんだ。

人間、だれでも、生きている以上は「つらぬくべきスジ」がある。 

 岡本太郎さんの本を初めて手にとったのは、2011年のことだった。

「自分の中に毒を持て-あなたは”常識人間”を捨てられるか」

この本を読んで以来、すっかり岡本さんの人間性に惹かれてしまった。

まっすぐな情熱と、世間の常識や批評にも対抗していった姿に感銘を受けた。

 

この夏に、はじめて万博記念公園太陽の塔を見る機会を得た。

他に類を見ない塔のデザイン。夏空とマッチして、どこかのびのびとしているようにも見えた。太陽の塔を見て浮かれた気分になり、売店岡本太郎さんの本を2冊も買ってしまった。

(内心、もっと買いたかったが手持ちがなかった。キャッシュオンリーにはご注意)

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太陽の塔

この万博記念公園は広い緑地になっており、歩き回るだけでも自然に癒やされる良い場所であった。小川や池もあったり懐かしい気持ちになれた。ぜひ読者諸賢も一度は訪れてみてほしい。

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万博記念公園の1シーン

というわけで本題(?)の読んだ本を紹介する。

生きがいのある人間の原点に戻る

あの塔は、太陽に向かい、大地に向かって挑みつづけている。孤独のままでね。(中略)

太陽の塔を見ると、胸のなかにメラメラと燃え上がってくるものを感じる。

挑む。これは危険な道だ。いつも死の予感に戦慄する。

死と対面したときこそ、生の歓喜が湧いてくるんだよ。 

 機械的なものやシステム的なものが社会に浸透するほどに、むさしさを覚える人が増えていると思う。危険な道とわかっていても挑む、自分をぶっつけていく、そういうことが生きがいにつながるのではないか。

逆境にあるほど、人生はおもしろい 

いちばんおもしろい人生とは、”苦しい人生に挑み、闘い、そして素晴らしく耐えること”。逆境にあればあるほど、おもしろい人生なんだ。

逆にうまくやろうとか、要領よく生きてやろうと考えると、人生はつまらなくなる。自分で自分の運命を賭ける、生身で生きることが、ほんとうの人生なんだよ。 

惰性的に、つまらない生き方でだらだらと過ごしていないだろうかと自問することがある。そんなときは、この言葉を思い出してほしい。自分の運命を賭けて何かに挑む、生きるつらさを感じるかもしれないが、それは生きる喜びと背中あわせだと述べられている。

他人が笑おうが笑うまいが、自分の歌を歌えばいいんだよ。

自分が音痴だからって悩む必要なんてないさ。

他人が笑おうが笑うまいが、自分で自分の歌を歌えばいいんだよ。なんでも兵器でやるべきだ。歌に限らず、他人の判断ばかりを気にしていては、ほんとうの人間としての責任がもてない。

冒頭にある「弱いままでいい。ありのままでいい。失敗したっていいんだ。」にも通じる。何かに挑戦しようとしても、下手だ、恥ずかしい、こんなレベルで人には見せられないと思うこともあるだろう。むしろそれを平然とぶつけていけばいい。そういう気持ちになれる、後押ししてくれるような言葉である。

 

「自分の中に毒を持て」の続編にあたる本書も、岡本太郎さんの情熱・信念がぎゅっとつまった言葉に包まれている。ぜひ読んでみてはいかがだろうか。

自分の運命に楯を突け (青春文庫) [ 岡本太郎 ]